贈る人のセンスと旅の思い出が詰まったお土産。

せっかくなら、作り手のストーリーも添えて渡したい…なんて思いませんか。美味しさと一緒に伝えたくなる丹波の食の物語をご紹介します。

 

山の麓に建てられた鶏舎。

その前庭で鶏たちが伸び伸びと過ごす姿が印象的な、卵農家「芦田ポートリー」。むかしは、どこの農家も庭で鶏を飼い、その卵を食べていた、いわゆる“庭先たまご”。その風景を思い描いて、芦田ポートリーでは、ケージ飼いのほかに、平飼いで約1,000羽を育てています。

 

遺伝子組み換えでない安心・安全なエサと地元の野菜を食べて元気に走り回って育つ鶏が産む卵は、黄身が濃くて、ほんのり甘い。地元の方や、飲食店、宅配でも人気の卵は、鶏舎に隣接した事務所兼直売所でも購入ができ、うまくタイミングが合えば、「今朝、産んだ卵なんですよ」なんて幸運に巡り合えることもあります。

 

目の行き届くところで一度じっくり鶏を飼ってみようと、約6年前から鶏舎の中で平飼いするだけでなく庭先に放し飼いを始めた。また、鶏がストレスなく健康に育つようにと、堆肥作りや鶏舎の環境作りにも手間ひまをかける。その全てが、鶏の健康、ひいては卵の美味しさに繋がっている。

目の行き届くところで一度じっくり鶏を飼ってみようと、約6年前から鶏舎の中で平飼いするだけでなく庭先に放し飼いを始めた。また、鶏がストレスなく健康に育つようにと、堆肥作りや鶏舎の環境作りにも手間ひまをかける。その全てが、鶏の健康、ひいては卵の美味しさに繋がっている。

 

平飼い卵の商品は、6個入りのほか、小さい卵など。日齢130日頃から卵を産み始めるが、最初は小ぶりで大きさが不揃い。そんな若鶏の卵は「初生み卵」「小さな卵」という、思わず応援したくなるネーミングで販売。鶏たちが産む卵一つ一つに対して品質管理の徹底だけでなく愛情を感じる。 

 

 

卵の美味しさをもっと伝えたいと始めた卵スイーツは、定番人気の「なめらかプリン」を筆頭に、キャロットケーキやシフォンケーキ、ブリュレ、焼菓子など、季節やイベント限定の商品も含めて数種類。

 

どれも農家ならではの目利きで素材を厳選して、安心・安全はもちろん美味しさに定評のある地元の野菜や乳製品を使って作られています。中でも「なめらかプリン」は、美味しさもさることながら、柔らかすぎて宅急便などで発送ができないため丹波でしか購入できないスイーツなのだとか。

 

写真:右上から時計まわりに。シフォンケーキは、プレーン、黒豆きな粉、ミルクティの3種類がある。キャロットケーキは、プレーンとシナモンクルミ入りの2種類。十字に包丁を入れるとハート型にカットでき、切り分けたときに思わず写真に撮りたくなる。定番人気のなめらかプリン。濃厚な味わいのたまごブリュレは2日前までに要予約。

 

 

「農家のスイーツだから、レシピは極限までシンプルにして素材の味を楽しむものにしています」と言うとおり、プリンに使う原材料は卵と牛乳で約9割、それにグラニュー糖とバニラビーンズだけ。

 

とろける食感のプリンの多くが生クリームを使うなか、芦田ポートリーでは牛乳、それも地元の丹波乳業の低温殺菌牛乳を使用するというこだわりがあります。低温で時間をかけて殺菌するという手間のかかる方法で美味しさにこだわって製造される牛乳は、搾りたての原乳に一番近い自然な甘みがあり、素材の味わいを楽しむ農家プリンにぴったり。

 

また、丹波市内の4軒の酪農家の生乳で作られており、できるだけ土地の食材を使って作るという、食の原点にも通じています。

 

低温でじっくり焼き上げたプリンは、卵の旨みと牛乳の自然な甘さが掛け合わさったやさしい味わい。口に含むと、なめらかな舌触りで、それでいて、舌にまとわりつくような濃厚さもしっかりある。ほんのりとした甘さで、濃厚なのにくどくない。最後のほうに姿をあらわすカラメルがほろ苦く、甘さに傾いていた口の中が、ほろ苦いカラメルと混ざり合って、後味すっきり。

 

 

写真上:鶏がモチーフになった可愛い箱はプリン6個入り。お土産だけでなく、差し入れや、手土産にも好まれるスイーツ。写真左下:最初のほうは、卵と牛乳の味わい。写真右下:終わりのほうは、滴るほどカラメルを絡めて、ほろ苦ほろ甘な味を楽しむ。

 

 

スイーツだけでなく、もうひとつのおすすめが、鶏肉を加工したハムやソーセージ。

鶏肉の加工食品の販売を始めたのは、農家として卵も鶏も大切に育てた命は全部きちんと食べきりたいと思ったから。そして、安心・安全なエサと地元の野菜を食べて伸び伸び育った元気な平飼いの鶏肉の美味しさを知ってもらいたいと、近隣の食肉加工会社に製造を依頼し、ソーセージ1種類とハム2種類(ムネ肉とモモ肉)を自社で販売しています。

 

鶏肉本来の美味しさが引き立つように余計なものは入れずに作るというこだわりは、スイーツだけでなく、ハムやソーセージ作りでも一貫しています。そのこだわりはネーミングにも表れていて、「きちんと育てた鶏を、きちんと加工する」という意味をこめて「きちんとチキンシリーズ」と名付けたのだそう。

 

ハムとソーセージは冷凍状態で販売。ハムは解凍してそのまま食べたり、軽くあぶったり、サラダやパスタに入れても美味しい。ソーセージはボイルしてからトースターなどで焼くとより美味しく食べられる。

 

産地やものづくりの現場を訪ねてのお買物は旅の醍醐味。ぜひ、芦田ポートリーの直売所へ。もちろん、丹波市内の道の駅やJA直売所でも販売していますので、気軽に買い求めることができます。

 

 

【基本情報】

芦田ポートリーの商品ラインナップ※全て税込み価格

■スイーツ

なめらかプリン 250円(直売所価格)

シフォンケーキ プレーン 550円

        黒豆きな粉およびミルクティは 各600円

たまごブリュレ 500円

キャロットケーキ 650円

 

■きちんとチキンシリーズ

チキンハム(ムネ) 580円

チキンハム(モモ) 650円

ソーセージ 650円

 

■鶏卵

平飼い卵 6個入り 350円

 

 

スイーツ、ハム、ソーセージ、卵は丹波市内の下記の場所で購入できます。

※販売所の状況により商品がない場合がありますこと、ご了承ください。

※価格等は取材時の情報です。

 

 

■株式会社芦田ポートリー(直売所)

所在地:兵庫県丹波市氷上町鴨内967

TEL :0795-88-9800

OPEN:月~土曜日 9:00~17:00 

     ※ただし金曜日は16:00まで

     日曜日 不定休

 

https://ashidapoultry.jimdofree.com/

https://www.facebook.com/ashidapoultry/

https://www.instagram.com/ashidapoultry/

 

 

 

■JAとれたて野菜直売所(鶏卵、プリン、ハム、ソーセージ)

所在地:兵庫県丹波市氷上町市辺440

 

 

■道の駅 丹波おばあちゃんの里(プリン)

所在地:兵庫県丹波市春日町七日市710

私がレポート

稿
チカコ
女性
30代
関西某所で生まれ育ち、ひょんなことから数年前に丹波に移り住むことに。ライターとしてインタビュー記事や、丹波のランチレポ、ニューオープン情報などを書き綴る仕事をしつつ、夜な夜なしっぽりカウンター飲みを楽しむアラフォー女子です。
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