2023年、丹波市柏原町に江戸前鮨のお店がオープンしました。国道176号線沿いに店を構える「鮨 よし成」。奈良県出身・大阪で鮨職人として腕を磨いてきた成田容介なりたようすけさんが、市内ではなかなか食べられない希少なネタの本格鮨を提供しています。地元や近隣の方からのリピーターはもちろん、遠方からの観光や旅行時の食事にも選ばれ、落ち着いた空間でお食事が楽しめます。

 

 

小鉢がついたにぎり鮨メニューが人気

 

 

店内はカウンター席と座敷席、合わせて20席が並びます。おすすめはもちろん、お魚に詳しく気さくな成田さんと話しながら、職人技を堪能できるカウンター席。ランチタイムは丼やにぎり鮨、ランチコースなどを展開していますが、どれもリーズナブルで、本格鮨が都会の半額程度という破格で味わえます。

 

(成田容介さん)

 

今回は、ランチメニューの中でもお客様に特に人気が高いという「にぎり鮨 竹」をいただきました。にぎり鮨ということで、お鮨と汁物の組み合わせを想像していましたが、成田さんが最初に手掛けたのは、3種のミニ小鉢。季節や仕入れに合わせて、おすすめメニューが並びます。特に上質な野菜が手に入りやすい丹波市だということもあり、地元野菜に自家製ドレッシングをかけた野菜サラダの小鉢もお客様に大好評。お店のオープンとともに縁もゆかりもない丹波市に移住してきたという成田さんですが、近所の人から野菜やゆずなどのおすそわけをいただけるそうで、季節の新鮮な恵みが、その日のメニューに生かされています。

 

 

 

小鉢は、南蛮漬けや煮魚など、鮨とはまた違う魚の美味しさが感じられるものばかり。鮨職人を目指す前は、日本料理屋で修行をしていたという成田さんならではの上品なメニューです。今回はにぎり鮨ですが、ランチコースについてくる茶碗蒸しもお客様から好評とのこと。

 

今では希少な赤シャリを使った、まろやかで爽やかな鮨

 

 

シャリは珍しい赤酢を使った「赤シャリ」。鮨といえばネタに注目されがちですが、土台であるシャリもまた、甘味と酸味のバランスを取るのに重要な役割を持っています。シャリといえば、米を醸造して作った白酢による「白シャリ」が一般的で、江戸前鮨の伝統を引き継ぐ「赤シャリ」の鮨が食べられる店は少なくなりました。赤酢は酒粕を醸造させたもので、香りが強く、まろやかな味わいが特徴。爽やかな酸味が、ネタの風味を引き立てます。

 

 

 

ネタもその日の仕入れに応じたおまかせスタイルが基本。どうしても食べたいネタがある場合は、予約時にリクエストすると相談に応じてもらえます。今日はトロ、ヒラメ、豆アジとヒラアジという二種のアジなど7種のにぎり鮨に鉄火巻。にぎり鮨の場合、松と竹はこのように一貫一貫握ってカウンター席に乗せてくれるので、ワクワク感もアップします。

 

 

 

仕入先は、昨年SATURDAY TAMBAでも取材した、お近くの「山之魚屋」さんを中心に。マグロは大阪市福島区の寺本商店に、店主自ら朝の3時起きで仕入れに行きます。存在感のあるずっしりしたマグロをたっぷり仕入れ、しっかり乾燥熟成。熟成することで旨味が凝縮され、日持ちも良くなります。

 

SATURDAY TAMBA「山之魚屋」記事

 

 

 

基本はその日のおすすめメニューになりますが、必ずセットでついているというイクラとウニのミニ丼は、とても可愛くカラフルで、見ているだけで幸せ気分に。わさびも生ワサビをその場ですりおろして添えます。汁物はすまし汁のこともありますが、この日は濃厚な赤だし。手際よくあっという間に美しい鮨ランチの完成です。

(「にぎり鮨 竹」 税込2,800円)

 

並んだ鮨はそれぞれに合った味付けがされ、そのままいただきます。ヒラメは淡白ながらも口の中で柔らかくほどけ、アジは生臭さがまったくなく、上品な赤酢との相性も抜群です。爽やかな酸味が口いっぱいに広がり、次から次へどんどん手が伸びてしまいます。箸休めとなる小鉢も挟みながら、口の中で様々な変化を楽しめるのもうれしいポイントです。

 

 

気軽に立ち寄り、特別遣いもできる、山の中の本格鮨店

ランチメニューはお手軽なものも多いですが、コースはにぎり鮨(梅・竹・松)のほかお造りや茶碗蒸しもついて、3,800円、5,800円、7,800円(いずれも税込)と、特別な日にもぴったりなものも。またディナータイムにはアテつきで6,800円、8,800円、12,000円(いずれも税込)のおまかせコースが人気で、奥丹波純米吟醸など地酒とともに楽しむ人たちの姿も見られます。お客様からは「こういうゆっくり贅沢な時間を楽しめる場所が丹波市にできてうれしい」と言葉が寄せられることもあり、成田さんにとってもうれしい瞬間です。

 

 

丹波市で本格的なお鮨を楽しむなら「鮨 よし成」。「この山の中で?」と驚くような新鮮な海の幸がたっぷり味わえます。ネタは極上ですが、成田さんは気楽に話せるお話上手な大将なので、本格鮨は初めてという人も是非、足を運んでみてください。

 

 

鮨 よし成

所在地

〒669-3301

兵庫県丹波市柏原町南多田200-1タウン沖田104号

 

電話

050-5474-8933

 

営業時間

ランチ 11:30〜14:00(LO 13:30) ディナー17:30〜22:00

 

定休日

水曜日 その他Instagramに記載あり

 

駐車場

 

SNS

https://www.instagram.com/yoshinari_sushi/?hl=ja

 

予約可

ご予約は電話またはInstagramのDMでお受けしています。

 

席数

20席

 

 

私がレポート

稿
ほたる
女性
1980年代
県外から丹波市に移住、素敵な人達との出会いに心躍る日々。食べ歩き、文化体験、アウトドアなど、浅く広く興味があり、「とりあえずやってみる」がモットー。体験してみて感じた等身大の感想をレポートにしてお届け中。
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