「春」の訪れを告げる銘菓、「いちご大福」。甘酸っぱい「苺」と風味豊かな「小豆」が絶妙に調和した、たまらない一品です。

今回は、丹波市で至福のいちご大福を堪能できる、青垣町の御菓子司『荒木本舗』をご紹介します。

 

 

 

和・洋で楽しむ絶品いちご大福

関西では白あん、関東では粒あんが主流のいちご大福。ここ『荒木本舗』では、関西では珍しい、粒あんのいちご大福が堪能できます。コントラストが美しい断面は見た目にも楽しませてくれます。

 

 

「荒木本舗」の粒あんは粒が大きいながらも皮が薄く口当たりがなめらか、風味豊かでやさしい甘さが特徴です。その粒あんに合うよう、甘すぎず酸味のバランスが絶妙な苺を厳選しています。使用する苺は甘ければ良い、というわけではなく、甘すぎると粒あんと苺の違いが分かりづらくなってしまうため、いちご大福全体のバランスを考えて、最適な甘さに調整されています。

それらを柔らかい求肥が包んでいて、まさに三位一体の至福の美味しさが口の中、いっぱいに広がります。

粒あんのやさしい甘さと苺の甘酸っぱさ、それぞれの素材の良さを最大限に引き出した至福の特製いちご大福。すっきりとした味わいなので1つと言わず、いくつでも食べたくなるほどの美味しさです。

 

そしてもう1種類、荒木本舗のいちご大福には、さらに生クリームが入った『生いちご大福』もあります。

 

 

洋菓子を学び、丹波へ戻って来られた3代目が考案したものだそう。

10㎝角に切った求肥を薄く伸ばし、生クリームとあん、苺を包んでいます。手で触れると潰れてしまいそうなほど、とても柔らかく繊細な『生いちご大福』。こちらも甘さは控えめでありながらも、生クリームが入る事によって、滑らかな口どけと豊かな風味が加わるので、『特製いちご大福』とはまた違った味わいが感じられます。

ここ、荒木本舗ならではの、和・洋どちらでも楽しめる2種類の絶品いちご大福。食べ比べもぜひお勧めですので、甘いもの好きやいちご大福ファンにはたまらないひとときになるはずです。

 

丹波地域と和洋が織りなす和菓子づくり

 

 

今では青垣唯一の地元で60年余り愛され続けている和菓子店。創業時は現在とは別の場所、青垣中学校の近くで文房具とお饅頭を売るお菓子屋として営業していました。当時は地元のたくさんの子どもたちが立ち寄る場所となっていたそうです。

 

2代目である荒木徹さんは高校を卒業後、東京のお菓子専門学校で2年間、和菓子について学び、さらにお茶会専門の京菓子を専門に取り扱う神戸の名店で5年間ほど修行を積んでこられました。丹波でお店を継ぐために和菓子職人として戻った際に、北近畿豊岡自動車道・青垣ICの近くに現在の『荒木本舗』として移転したそう。移転して36年経った今では、徹さんと奥様、3代目の息子さん、徹さんのお母様も一緒に家族4人で切り盛りしています。

 

 

先代であるお父様が昔ながらの和菓子職人として和菓子作りの土台を築き、徹さんがその土台をさらに深めると共に、地元の食材を使った数々の和菓子を作り続けてきました。

 

「地元の銘産品を使って和菓子を作れないか」と相談を受けることが多々あり、地元名産の食材を用いた、丹波の和菓子職人として活躍されています。丹波大納言小豆のこしあんや丹波栗を使った羊羹、白雪大納言といった白小豆の粒あんを使ったどら焼きなども店頭に数多く並んでいます。白あんはほとんどが白いんげんのこしあんからつくられることが多く、白小豆の粒あんはとても珍しいのだとか。

 

 

丹波大納言小豆と丹波栗を用いた「プレミアム栗羊羹」

 

 

 

ほかにもここでしか味わえない、珍しい和菓子として、ぜひ味わっていただきたい『あざみ菜まんじゅう』があります。青垣で生産されているあざみ菜と塩だけでつくるあざみ菜漬けをトッピングしたお饅頭。

同じ青垣町内の「道の駅 あおがき」で製造された、あざみ菜漬けを用いた地元の魅力のつまった一品です。

立ち寄り必須!「道の駅あおがき」 | | 土曜は丹波市に -SATURDAY TAMBA-

 

「お饅頭とお漬物」と聞くと意外な組み合わせですが、ほんのり甘い白あんにシャキっとした塩気とピリ辛いあざみ菜漬けがいいアクセントとなります。それぞれの素材が合わさることでお互いに引き立てあった甘じょっぱさが癖になります。

丹波県民局が開催する『丹波すぐれもの大賞』を受賞したおすすめの逸品です。

  

 

 

たくさんのお客様の喜ぶ顔が見たいという想いを込めて、日々一つひとつ丁寧に和菓子作りに取り組まれている徹さん。和菓子はただ美味しいだけではなく、目で色や形を楽しみ、舌で味と感触を感じて風味を愛でる文化のひとつ。旬の素材を大切にしながら、季節の移り変わりをやさしい色合いで表現した色とりどりのたくさんの和菓子がずらりと並んでいます。季節に応じた花の形を一つひとつ丁寧に成形した和菓子や、丹波の素材をふんだんに使用した旬の創作和菓子が四季折々でそれぞれ楽しめます。

 

 

そして現在では徹さんのもと、3代目である息子さんが和菓子を学びながら洋菓子のテイストを織り交ぜた和菓子づくりに励んでいます。

和洋折衷の和菓子『生しょこら大福』も人気です。先代から受け継いできた古き良き和菓子文化を大切にしつつ、新しく洋のテイストが加わることにより、新しいものが生み出されている『荒木本舗』。正統派の和菓子に加えて、今後の商品展開が楽しみで期待が高まるところです。

  

 

【和洋折衷のフルーツ大福】

 

季節限定、旬のいちご大福は始まったばかり!店内での飲食も可能ですので、ゆっくりと和菓子を楽しむことができます。また丹波の魅力がたっぷりと詰まった、ここでしか手に入らない和菓子もたくさん。お友達やご家族と楽しむのはもちろん、自分へのご褒美や手土産、大切な方への贈り物として、様々な場面で喜ばれること間違いなしです。

青垣ICから車で約3分とアクセスも良好なので、ぜひ一足お先に丹波で『旬の和の味覚』を味わいに来てくださいね。

 

 

「御菓子司 荒木本舗」

住所:兵庫県丹波市青垣町小倉891-6

TEL : 0795-87-0108

営業時間:8:00 ~ 18:00

定休日:月曜日

私がレポート

稿
ほたる
女性
1980年代
県外から丹波市に移住、素敵な人達との出会いに心躍る日々。食べ歩き、文化体験、アウトドアなど、浅く広く興味があり、「とりあえずやってみる」がモットー。体験してみて感じた等身大の感想をレポートにしてお届け中。
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