夏はバーベキューやビールのお供にソーセージが欠かせないという方もいると思います。JR福知山線石生駅から徒歩5分のところに、本場ドイツのソーセージを購入出来るお店があることをご存じでしょうか。






単身ドイツに渡りマイスターに


店主の清水さんは、20歳でドイツへ渡り、7年半の修行を経て丹波の地で「バイエリッシャーホーフ」をオープンしました。そのきっかけは、テレビ番組。元々実家が精肉店だった清水さんは高校生で進路に悩んでいる時に、ドイツの農家が豚を無駄にすることなくハム・ソーセージを作る過程に感銘を受け、ソーセージ作りをしたいと海を渡ったそうです。そして、ドイツでものづくりの技と心を極めた人に与えられる、ドイツの国が認めた最高級の称号である「ドイツ・フライッシャーマイスター」を取得します。この資格は、ドイツの人でも、一生に3回までしか受験出来ない厳しい称号。清水さんは1回の試験で合格したそうです。

 
▼ドイツ・フライッシャーマイスターの清水さん


▼ドイツ・フライッシャーマイスターの認定証

 
ドイツでの修行を終えて、精肉店を営む実家があった丹波へ戻り、お店を構えた清水さん。早速、本場ドイツで培われたソーセージ作りの腕を振るいます。しかし、ドイツの食べ物は根本的に日本より塩分が強めであったため、販売当初のドイツのそのままの味だと塩味が強いということが判明し、極力ドイツの味を変えないよう塩味を工夫されたそうです。また、今でこそ人気ナンバーワンの白いソーセージ「ヴァイスヴルスト」は、日本でのなじみが薄いため、発売当初は他の商品の方が人気がありましたが、長く販売を続けていくうちに少しずつ認知され有名になっていきました。

 

「バイエリッシャーホーフ」の人気商品


初めてお店を訪れた筆者のように、どれを買えばいいか迷ってしまう方もいるのではないかと思い、人気商品を伺いました。


①ヴァイスヴルスト

ドイツは都市によって名物ソーセージがあり、この「ヴァイスヴルスト」はミュンヘン名物で、清水さんがこだわって作っている逸品です。ボイルしたあと、腸をナイフで切って中身だけ食べるソーセージです。甘口のマスタードがおすすめということで、筆者はお店に販売しているマスタードも一緒に購入しました。
ちなみにヴァイス=「白い」でヴルスト=「ソーセージ」という意味だそうです。


②ケーゼグリラー

チーズを練りこんだソーセージ。中のお肉があらびきだそうで、焼くとチーズがとろけて肉に絡まり絶妙だそうです。


③クロイターグリラー

数種類のハーブがミックスされている、女性に人気のソーセージだそうです。


④フライッシュケーゼ

ソーセージの生地を型に入れて焼き上げたソーセージです。四角い厚切りハムの様で、南ドイツではポピュラーなソーセージのかたちだそうです。チーズやマッシュルームが入ったピッツァケーゼもあります。


⑤アウグスブルガー

アウグスブルグの名物ソーセージで、香辛料が多めに使われているスパイシーなソーセージです。太くて食べ応えがあり、一口噛めばジューシーな肉汁が溢れます。

 


他にも、季節により商品ラインナップは若干変わりますが、レバーパテやハム・ベーコン、ゼリー寄せが販売されています。


筆者の様に、初めてお店を訪れると、たくさん並ぶバリエーションの多さに圧巻されて、迷ってしまうかもしれませんが、お店の方にどういうタイプのものが食べたいかを伝えると、的確におすすめのものを教えてくださいます。お店に並んでいるソーセージの見分け方として、白いタイプは豚肉100%で味があっさり、ベージュがオーソドックスなタイプ、赤っぽいのがスパイシーな味だそうです。


また、筆者は「ヴァイスヴルスト」は皮のまま食べたらどうなるのか素朴な疑問が浮かんだので質問したところ、食べられないわけではないそうですが、ボイルするので焼いて食べるソーセージより腸皮が分厚く、口に残るんだそうです。やはり、お店が教えてくれる食べ方で食べるのが一番。調理方法は、製品シールに記載されています。


▼分からないことがあればお店の方が丁寧に答えてくださいます

 

販売されている商品は、ドイツで修行したマイスターが作った逸品のソーセージ。使用しているお肉こそ日本国内産の牛肉・豚肉ですが、ケーシングや使用されている香辛料はすべてドイツのものを使用されています。また、店内に入ると、ハムやソーセージが所狭しと陳列されているスタイルなので、まるでドイツのマーケットに来たかのような気持ちで、思わず目移りしてしまいます。

 
丹波から全国へドイツの味をお届け


お店は地元の人に愛されて20年を過ぎ、清水さんは最近よく、ドイツの修行時代を思い出すそうです。今でも、ドイツでの修行時代の親方と連絡をとりながら、初心にかえって気を引き締め、これからもっと都会のお客さんにも知ってもらいたいと語ります。

 


コロナ禍の前は、百貨店の催事にも出店されていましたが、コロナ禍で催事が開催されない状況が続いています。一方で、外食できない分、家で少し贅沢な美味しいものを求める人達に人気が高まって来ているそうです。


今回、筆者自身色々と購入して帰り、家族と賞味したのですが、ドイツのソーセージはこんなにジューシーで食べ応えがあるものなのか!と衝撃でした。ドイツの甘いマスタードも今までに味わった事がない、ソーセージの味を引き立たせる味でした。


遠方の方は、通信販売で購入することができます。これから紅葉のシーズンで丹波を訪れる人が増えると思いますが、遠方から訪れた人がまたあのソーセージが食べたいと思った時に通信販売で購入できるいい時代になりました。一度食べたら、市販のソーセージが物足りなくなること間違いなしです。


ドイツで修行した正真正銘のマイスターが作る本場ドイツのソーセージが丹波にあることを全国の人に知ってもらう為に、清水さんの挑戦は続きます。

 


バイエリッシャーホーフ


名称 「バイエリッシャーホーフ」
所在地 兵庫県丹波市氷上町石生764‐1
※ カーナビや地図アプリで認識されない場合「石生郵便局(丹波市氷上町石生770-3)」を目指してください。
営業時間 :10:00~18:30(1月~3月は10:00~18:00)
定休日:日曜日
HP:http://www.bayerischer-hof.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/meistertoshi/

私がレポート

稿
MATY
1980年代
自ら取材やレポートを行い、一次情報の記事を大事にしているフリーランスのライター。高校時代から趣味でホームページを開設。発信で世界と繋がる魅力にハマり、以降も趣味が出来るごとにブログを綴る。動物看護士、大手通販会社勤務、全国の百貨店を飛び回る催事販売員を経て2019年独立。趣味は社会人サッカーリーグの魅力を発信すること。ドリカムを崇拝しているアラフォー。
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