丹波市山南町は茨城、愛媛に並ぶ日本有数の若松の産地です。松は常に青い葉を保つことから縁起が良いとされ、松飾りやしめ縄、生け花など、古より日本のお正月には欠かせない存在となっています。今年の冬は丹波の若松でお正月飾りを作り、凛とした気分で新しい年を迎えてみませんか?

 

(山南町坂尻 浅田真紀子さんの若松畑)

 

若松は種をまいてから出荷まで4年をかけて育てる

霧の立つ山南町坂尻の松畑の風景

 

山南町の和田地区を訪れると山間には若松の畑が広がり、お正月の松飾り用にと出荷の最盛期を迎えていました。この地域で若松の栽培が始まったのは50年以上も前のこと。品種はクロマツで、中山間地の環境が栽培に適していることから現在も25軒ほどの農家が若松を育てています。若松は種をまいてから商品として出荷するまで4年かかります。種をまいた畑で育った1年目の幼い若松は手のひらほどの大きさもありません。それを手作業で次に用意した畑に植え替え、そこから3年待ちます。刈り取った松は農業ハウスの中に設けた浅い水槽につけて水揚げをしつつ、出荷の規格に合わせた選別作業を行います。不要な枝を払い、形や長さで分けるなど、播種から出荷まで手作業で臨む大変な苦労があります。今回、若松を使ったお正月飾りのワークショップを主催する「Greebe.(グリーべ)」の浅田真紀子さんは、この地で若松の栽培を受け継ぐ農家の一軒です。かつて、お正月に玄関に飾られていた松飾りが、近年ではあまり見かけなくなったこと、加えて栽培農家の高齢化や栽培の厳しさなどから担い手の維持が難しいことから、若松栽培の将来を案じ「なんとかしなければ」と若松の魅力を積極的に発信する必要に駆られ、3年前から「お正月飾り」のワークショップを開催してきました。

 

 

それでも何かが足りない、でも何が足りないのと暗中模索の浅田さんが藁をもつかむ思いで相談に行った先で紹介されたのが華道家の矢田青幸やだせいこう先生でした。空間に装花する「Liveいけばなパフォーマンス」を各地で開催している草月流の新進華道家です。臨場感のあるフラワーアートパフォーマンスや華麗なトークに定評があり、「お花でまるっとHAPPYにっ♡」をテーマに活動の幅を広げる一方、いけばな教室では子どもにも花を生ける楽しさを教えています。若松という伝統的な花材が新進華道家の手でどのような姿になるのか、自らがそれを見たいと思った浅田さんは昨年、矢田青幸先生を講師に招き、「お正月飾り」のワータショップを開催しました。

 

202211月、イベント開催前に若松の圃場を見に来られた矢田青幸先生)


(昨年の参加者の作品・一例)

 

プレミアムに&気軽に!2023年12月に開催する2つのワークショップ

 (昨年のワークショップの会場風景。丹波市立薬草薬樹公園にて)

 

2023年12月には、2回のワークショップを開催。

矢田青幸先生を招いたプレミアムなお正月飾りづくり体験「2023-24 Christmas New Year Happy arrangement」と、浅田さんが講師を務め気軽に参加できる「迎春飾りづくり~丹波の若松を使ってお正月飾りを作りましょう~」です。

 

(昨年のワークショップの会場風景)

 

2022年は若松の産地に近い山南町の薬草薬樹公園に矢田青幸先生を招いてワークショップを開催しました。今年の「2023-24 Christmas New Year Happy arrangement」は、会場を変えて青垣町の衣川會館で行います。衣川會舘は佐治の町にゆかりのある方の住まいをリノベーションして価値を高めた地域の活動拠点です。古民家が醸し出す独特の空間+日本伝統の松飾り+コンテンポラリーフラワーアレンジメントという贅沢な時間を楽しむことができます。まずはクリスマスのアレンジを、そして正月飾りにチェンジさせるというふたつのアレンジを教えていただきます。水にさえつけておけば数カ月はみずみずしさが保てる若松の“生命“とともに、よい年を迎えましょう。

 

 

古民家ならではの奥行きのある場所で、日本の伝統である若松飾りを、高名な華道家の方のご指導の元作れる贅沢な時間。若松は想像以上にもちがよく、12月はじめに作ったアレンジメントは、クリスマスを経て、新しい年を迎えてもまだ美しく青々としています。クリスマスと新春の両方を彩るアレンジメントとして長く楽しめるよう、ワークショップではクリスマス後に少しデザインを変えられる簡単なアレンジも教えていただけます。

 

(今年のワークショップ会場:衣川會館 )

 

 

 

「迎春飾りづくり~丹波の若松を使ってお正月飾りを作りましょう~」は、丹波市柏原町にある丹波の森公苑の生活創造活動グループサポート事業として開催。丹波の若松を使い、松竹梅の縁起の良いアレンジメントを作ります。こちらは12月下旬に開催され、お正月飾りに特化した松飾りが作れるので、まさにお正月準備のめでたい気持ちが味わえます。

 

(松飾りづくりのチラシ)

 

松飾りは、お正月の神様である歳神様を迎え入れる場所と言われています。松は不老長寿のシンボルでもあり、「祀る(まつる)」に発音も近いため、神さまが宿る木といわれています。新しい年を、幸せな気持ちで迎えたい。そんなあなたはぜひ、若松を使ったお正月飾りづくりワークショップに参加してみてください。2つのイベントの概要と参加申し込み方法などを以下にまとめました。

 

 

イベント概要

 

「2023-24 Christmas New Year Happy arrangement」

2023-24 Christmas New year Happy arrangement

青幸先生オリジナルのクリスマスアレンジを作成、そして新年を迎える飾りにチェンジする方法も教えてもらえるプレミアムな時間を過ごしていただきます♪

12/17(日)10:00〜

衣川會館 

HP:https://g.co/kgs/kSHCiw

〒669-3811 兵庫県丹波市青垣町佐治608

講師 『華道家 草月流

矢田青幸(やだせいこう)先生』

12,000円(材料費・税込)

緑色が極めて濃い丹波産若松を使用します。

持ち物 生花用ばさみ(持ち帰り袋付き)

申込先 

電話:090-8753-1154

LINE:https://lin.ee/y4yHF0L

ホームページ:

https://home.tsuku2.jp/storeDetail.php?scd=0000118482

丹波市山南町  浅田真紀子

締め切り 12/7(木)

 

◆華道家 矢田青幸◆

草月流の新進華道家として活躍中。

空間を装花するLiveいけばなパフォーマンスを各地で開催。いけばな教室では大人から子どもまで幅広く指導。

今年8月に開催した

「極MONO _ kiwamono

花・陶・食 〜華のある暮らし〜」

満員御礼イベントとなり、次回の開催を期待されている。

華道家矢田青幸として

「お花でまるっとHAPPY」をテーマに活動の幅を広げる。

HP:http://seikoh-yada.main.jp/

Instagram: https://instagram.com/seikoh.artist

 

迎春飾りづくり~丹波の若松を使ってお正月飾りを作りましょう~

若松生産者・浅田真紀子さんによるワークショップです(矢田青幸先生は来られません)。

日時 2023年12月23日(土)①10:00〜12:00 ②14:00〜16:00

会場 丹波の森公苑(兵庫県丹波市柏原町柏原5600)

定員 各回20名

持ち物 剪定ばさみ、手袋、持ち帰り用の袋

参加費 2,500円

 

お申し込み方法  電話、FAX等で下記までお申込みください。

TEL:0795-72-2127  FAX:0795-72-5164

(公財)兵庫丹波の森協会・丹波の森公苑管理課

イベントページ

 

Information

各種最新情報は以下をご参照ください

矢田青幸先生ホームページ

矢田青幸先生Facebook

矢田青幸先生instagram

衣川會館Facebook

Greebe. ホームページ

Greebe. instagram

 

 

私がレポート

稿
あずさ
女性
1980年代
丹波に引っ越して10年超、地元の魅力に興味津々な日々を送るアラフォー。新たな発見と体験が大好き。地元のグルメ、おいしい料理や隠れた名店を見つけることが楽しみで、アクティブな趣味にも挑戦したいと妄想中。
地元のローカルな魅力や美味しい食べ物、多彩な楽しみ方をどんどん発信していきます!
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