• ACTIVITYSPOTEVENT
    Date:2023.09.08

「黒井城跡」戦国の風景残る登山スポット

 

緑に包まれた森林の木立や、頂上から見下ろす町並み。様々な景色が楽しめるのが、登山の魅力の一つです。登山道を一歩一歩と踏みしめてたどり着いた景観に、感動もひとしおです。幅広い年代で、更に運動神経に自信がなくても手軽に始められる登山。今年こそチャレンジしてみたいという人もいるのではないでしょうか。そんな山登り初心者の人におすすめしたい丹波市の登山スポット、「黒井城跡」をご紹介します。

 

黒井城は戦国時代の1554年、荻野(赤井)直正が城主となり、その勢威を丹後一円に広げました。また黒井城の大改修を行って大規模な戦国の城を築き上げ、織田信長の丹波攻略の際には、家臣の明智光秀を一度は敗戦に追い込んだと伝えられています。黒井城跡は、戦国時代の山城の様子を遺構に残しているとして、国の指定史跡になりました。歴史好きからも親しまれる黒井城跡は、現在も地域の人達の手によって手入れされ、登りやすい登山道が作られています。

 

最寄り駅・JR福知山線黒井駅から登山口までの道のり

 

JR福知山線黒井駅から、登山口までは徒歩15分程度。

 

 

駅真向かいの道路を北向きに。途中交差点などありますが、正面を向いて歩き、突き当り左カーブ手前を右に。

 

 

このような看板が出てきたら登山口まではもうすぐ。ここをまっすぐ上がると登山口すぐ下の駐車場に。矢印のとおりに曲がると興禅寺前の駐車場にたどり着きます。興禅寺前の駐車場は広く、きれいなトイレもついています。電車でこられる方も、山中にトイレはありませんので駐車場のトイレは要チェックです!

 

(登山口下の駐車場)

 

(登山口下駐車場の有料トイレ)

 

(興禅寺前駐車場、広い無料トイレあり。近隣に小学校がありますので平日にお越しの際はお気をつけください)

 

体力・自信に合わせて選べる2つのコース

 

登山コースは大きく分けて2つ。「なだらかコース」と「急坂コース」があり、どちらも頂上までの所要時間は50分程度です。

 

 (なだらかコース登り口)

 

なだらかコースの登山ルートはこんな感じで、比較的広く緩やかな道が続きます。初心者向けのコースですが、軽装での登山は禁物。登山に適した靴と帽子、長ズボンを着用して登りましょう。

 

一方、急坂コースの登山ルートは、いきなり階段から始まります。

 

 (急坂コース登り口)

その後も傾斜が強く、比較的険しいルートが続きます。体力・脚力に自信のある方はこちら。登山の際も下山の際も充分お気をつけください。

 

 

 

険しい分、急坂コースには要所要所にベンチが設置されています。適度な休憩をとりながら登山を楽しみましょう。

 

 

今回は、山登りにこれから挑戦したい方向けに、「なだらかコース」を中心にレポートいたします。

さて、どちらのコースを選んだ場合でも、登山口入ってすぐにこのような金網の扉が設置されています。

 

 

こちらは山からイノシシ・シカが降りてくるのを防ぐための柵です。登山口のすぐ近くは住宅地。この柵を開けて入り、必ずすぐに閉めておきましょう。

なだらかコースの登山ルートは、森の木立が続き、暑い日でも比較的涼しく登れます。ところどころ直射日光が当たるところもあるので日焼け対策もしておきましょう。また、危険な虫などは少ないですが蚊は出るので、虫除けスプレーなどの対策も必須です。

 

 

 

整備された登山ルートには、木の名前が書かれた札もかけられています。秋になるとどんぐり拾いも楽しめ、子連れの山登りにもぴったりです。

 

展望兼休憩スペース・石踏の段跡

 

 

「石踏の段跡」にある赤門が見えてきたら、頂上まではもう少し。ここで急坂コースとなだらかコースが合流します。ベンチや赤門に座り、しばらく休憩する人の姿も見られます。頂上の景色とはまた違いますが、ここから見下ろす風景も格別です。

 

 

 

少し休んだら、頂上目指して再出発。ここから岩場が多くなるので、雨上がりには特に注意が必要です。木々の影から時々絶景が見えるのも、頂上への励みに繋がります。

頂上本丸までのラストスパート

 

 

 

 

岩場を越えると、見晴らしのいい東曲輪跡、戦国時代の石垣の風情が残る三の丸、

 

 

 

見晴らしが良く広々とした二の丸を経て、

 

 

 

いざ本丸へ。石垣を保護するために、丹波市社会教育・文化財課が階段を設置しています。保護のためにも安全のためにも階段を登るようにしましょう。

 

 

大きな城郭があったとされる城跡からは、ぐるり丹波市一円が見渡せます。城主赤井直正はここから敵の動きや水田の様子など見ていたかもしれません。どちらを向いても山があり、山々に囲まれた丹波市の地形を目の当たりにすることができます。南東方面には三尾山、ノコギリ山、金山城、南西方面には向山連山、北は丹波小富士の向こうに京都府福知山市一部の光景も見ることができます。

 

 

 

 

「保月城址」と書かれた石碑は撮影スポットとしても知られ、登山記念に記念写真を撮る登山客の姿もよく見られます。

 

 

遮るものがなく平坦な黒井城の山頂は穏やかで爽やかな風が吹き抜け、避暑スポットとしてもおすすめできる場所の一つです。また、近隣住民が犬の散歩コースにもするなど、登り慣れると気軽に登ることのできる手軽な登山スポットの一つでもあります。

 

雲海スポットとしても名高い黒井城跡

 

また、秋から初冬にかけては、この黒井城跡は雲海スポットとしても知られています。朝晩の冷え込みが激しい、晴天の早朝であることが雲海出現の条件です。当日電車でのアクセスは難しくなりますが、前泊や車で早朝にアクセスする人も、この時期には増えます。雲の上の風景を楽しみたい方は、秋から初冬、早朝に登ってみてはいかがでしょう。

 

 

下山ルートと展望スポット「太鼓の段」

さて、下山ルートですが一旦石踏の段跡の赤門まで戻り、今度は急坂コースを下ります。

 

 

 

登山ガイドさんによると、登山時より下山時のほうが安心していることもあり足元には注意が必要とのことですが、この日は天気に恵まれていたこと、またこの急坂コースでないとたどり着くことのできない展望スポットがあるということで、思い切って降りてみました。

 

 

分かれ道から比較的すぐのところに見える「太鼓の段へ」の矢印。ここが隠れた名スポットです。気をつけていないと見逃すこともあるので注意が必要ですが、この矢印をたどって、そしてちょっと細めの山道へ。右側は縁になっているので雨天時や雨上がりは避けたほうが無難です。程なく急に視界がひらけて「太鼓の段」が現れます。

 

 

平坦な場所から見える眺望は、丹波市春日町から有機農業の郷・市島町方面で、舞鶴若狭自動車道や黒井川なども見られます。

 

太鼓の段は、急坂コースの降り口近いところにありますので、天候によってはここだけ見て、もう一度戻り、なだらかコースで下山するのもおすすめです。取材時は天候その他の状況を鑑みそのまま急坂コースで降りました。重心を低く保ち、足元に細心の注意を払うことがポイントです。

 

(急坂コースの金網扉)

 

降りた先に、鉄柵が見えてくると、ゴールはもうすぐそこ。低山でこそありますが満足度たっぷり、コースも選べて遊び心もたっぷり。また城跡ならではの絶景スポットもたっぷりです。気温の高い日は、山の中より下山してから駅まで、下山してから駐車場までの暑さ対策を最後まで気を抜かずに行いましょう。

 

 

手軽に登れて丹波の風景が一望できる黒井城跡。黒井城跡地域活性化委員会の方のお陰で安全な登山道が整備されていることも、初心者に嬉しいポイントでもあります。この行楽シーズン、ぜひ行き先の一つに加えてみてください。

 

また、2023年9月16日~18日(土~月祝)アクリエひめじで行われる

「特別版 お城EXPO in 姫路」の

「城巡り観光情報ゾーン」に、丹波市が出展します!

黒井城の情報もありますので、城好きの方はぜひ、この機に足をお運びください。

https://shiroexpo-himeji.jp/

 

 

 

黒井城跡公式ホームページ(丹波市)

https://www.city.tamba.lg.jp/site/kyouiku/kuroijyou.html

登山に当たって、黒井城跡地域活性化委員会の会長・吉住孝信さんにご指南いただきました。ありがとうございました。

 

私がレポート

稿
あずさ
女性
1980年代
丹波に引っ越して10年超、地元の魅力に興味津々な日々を送るアラフォー。新たな発見と体験が大好き。地元のグルメ、おいしい料理や隠れた名店を見つけることが楽しみで、アクティブな趣味にも挑戦したいと妄想中。
地元のローカルな魅力や美味しい食べ物、多彩な楽しみ方をどんどん発信していきます!
一覧へ戻る

他の記事をチェック!