豊かな里山の風景が広がる丹波市青垣町。
この地に、銀杏の木としては西日本最大級の「常瀧寺の大イチョウ」があります。

 

 

最大の特徴は、枝からいくつも垂れ下がったコブのような気根が造り出す樹形。
しかも、この木が一本から成り立っていることに驚きます。
その雄大な姿は、見る者を圧倒し、エネルギーを与えてくれます。
 
常瀧寺の大イチョウは、別名「乳の木さん」とも呼ばれ、乳のように垂れ下がるコブの表皮を煎じて飲むと、乳の出がよくなるということで、母乳の出にくい婦人たちの信仰を集めていました。

 

 

また大正時代には登山道に八体のお地蔵様と大イチョウの前に石造りのお大師様が祀られ、たくさんの方々が参拝されたそうです。
 
しかし、町の中心部から離れた山上に位置していることから、いつしか訪れる人が減り、忘れられた存在となってしまいました。

 

常瀧寺の大イチョウ再興プロジェクト
プロジェクトを主催しているのは、藤田さん兄弟。

 

兄:藤田翔太さん

 

弟:藤田げんたさん

 

普段はお仕事をされながら、休日に登山道の清掃や整備を行い、SNSやメディアを通した情報発信などの活動を行っています。
今後は観光資源として必要な設備を整えていきたいと考えているそうです。
 
氷上町にお住いのご兄弟が、なぜ青垣町にある大銀杏に惹かれたのか?
気になったので伺ってみると・・・
 
「地元に帰省した時に、観光しようと思って、観光協会のHPを見ました。
大銀杏の記事を見て、行ってみようと思って。
初めて大銀杏を目にした時の感情は忘れもしません。圧倒的な存在感で、言葉も出ないくらい感動しました」

 

常瀧寺の大イチョウは、これまで集落の方々が『乳の木さんを守る会』を結成し大切にお世話されてきました。
しかし、メンバーの高齢化で大イチョウのお世話も大変になってきたそうです。
 
雄大な大自然に育まれ、人々のまごころが宿った大イチョウの姿を、もっと多くの人に知ってほしい。そして、後世へと残していきたい。
 
そんな思いから、常瀧寺の大イチョウ再興プロジェクトが始動しました。

 

常瀧寺のお茶の会

2021年8月28日に開催された、「常瀧寺のお茶の会」に参加しました。
 
まず初めに常瀧寺の本堂で、知憲和尚から常瀧寺の縁起や“乳の木さん”の生い立ちを伺いました。
 
そして、いよいよハイキング開始です!
私は体力に自信がなかったので、後方からゆっくり登りました。

▼道中には青紅葉や美しいシダ類が生い茂り、マイナスイオンを体いっぱいに感じることができました。

 

最後の急坂に心が折れそうになりましたが、「着きましたよ~!」の声を聞いて顔をあげると、目の前に大きな銀杏の木が現れました!

 

疲れが一瞬で吹っ飛んだ気がしました。
 
初めて目にする大イチョウ。
その雄大な姿に暫く見惚れていました。
 


今回のイベントのもう一つのお楽しみ、移動茶屋 TEA STAND MOKUさんの抹茶ラテをいただきました。

▼抹茶ラテ

 

▼お茶菓子もイチョウの葉。食べるのがもったいないぐらい可愛い・・・

 

 

紅葉も見逃せない
 
大イチョウの葉が黄色に染まるのは、11月末~12月初め頃だそうです。
青葉とはまた違った表情を見せてくれることでしょう。
 
紅葉の頃に、またイベント開催されるとの噂も・・・。
 
今後も「常瀧寺の大イチョウ再興プロジェクト」から目が離せません。

 

 

常瀧寺の大銀杏再興プロジェクト

常瀧寺の大銀杏再興プロジェクト

https://joryuji-revival.com

私がレポート

稿
かずみん
女性
アラサー女子
丹波生まれ・丹波育ち。※大学4年間を除く。
大学進学時、「もう丹波には帰ってこない!!」と豪語して出て行ったものの、”離れたからこそ”ふるさとの良さを実感し、4年後に就職を機に帰郷。
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