国道175号を走行していると目立つ「村のそば 木琴」の看板。

 

かわいらしい動物の絵が描かれた看板が設置されている角を曲がると、木造の建物が見えてきます。

 

手作り感あふれる木製の案内板、水車、オブジェ等が迎えてくれる、まるで遊び場のよう。

営業開始当初は、木曜日・金曜日に営業していたことから、「木金(もっきん)」とつけられた、遊び心満点なそば屋「木琴」をご紹介します。

 

 

 

 

木琴の店主、佐藤勉(さとうつとむ)さんは、市島町にあるそばの名店「そばんち」の店主でもあります。

 

定年後にも新しい友人を作ったり、社会とつながっていたいという思いから、独学でそば打ちを勉強し、そば屋「そばんち」を開店しました。

もっと遊べる場を作りたいという思いから、「そばんち」の店長を弟子に任せ、山南町南山で「木琴」を開店し、「楽しむ」をテーマに営業されています。

 

「そばんち」のお客さんが少ない木曜日・金曜日に営業を始めたことで、店名は「木金」。

 

今は、少しずつお客さんが増えてきて土曜日・日曜日も営業するようになったため、店名の漢字を「木琴」に改めたそうです。

 

 

木の温かみあふれる店内に置かれた大きな机には、佐藤さんの知り合いの方に描いてもらったという、かわいらしい動物や、デフォルメされた佐藤さんのイラストがたくさん描かれています。

イラストの柔らかな雰囲気が店内の雰囲気に合わさって、とても居心地の良い空間を演出しています。

 

また、木琴にはテラス席もあり、そば屋では珍しい、ワンちゃんと一緒に来店できるお店です。

 

 

 

 

 

 

 

そば屋木琴のもう一つの顔は、「そば屋を育てるそば屋」です。

 

木琴では、スタッフとして働きながらそば屋の修行ができる制度があり、今までに修行した方は、10人を超えています。さらに、修行された方の中で8人が独立し、全国各地で開業しています。

 

そんな木琴は、他のそば屋にない変わったものが多くあります。

 

その一つは、「営業時間」。

10:53~15:33と変わった営業時間にしているのは、緩くお店を営業したいから。

お店以外でも遊びたいことが多いという佐藤さんらしさが垣間見えます。

 

もう一つは、「曜日店長」の制度。

木曜日~日曜日に営業している木琴は、曜日によって店長が変わります。

 

そのため、提供されるメニューも、店長の裁量に合わせて営業日によって変わることがあるそうです。

 

そんな自由が許されているお店では、ゴマ胡桃(くるみ)そばや、そば粉パンといった珍しいメニューもあります。

さらに、「○○さんの打ったそばを食べたい」と曜日店長目当てに来られるお客さんもいるそうです。

 

なお、すべてのメニューが毎曜日にあるとは限らないので、各メニューは、まさに一期一会。すべて楽しんでみたいですね。

 

そんな木琴のレギュラーメニューは、「十割そば」、「山の芋そば」、「ゴマ胡桃そば」などのそばや、「出汁巻」、「そばがき」などのサイドメニュー、さらに豆を石臼で挽いた「珈琲」などの飲み物もあります。

 

さらに、おすすめメニューとして「今日のべんちゃんのそば」(べんちゃん:佐藤さんの愛称)や、「うーめん」(店主・佐藤さんの出身地、宮城県白石市の特産品で、油を使わない製法で作られた、そうめんより太く短い麺のこと)といった珍しい麺を楽しむことができます。

 

また、純粋にそばを楽しんでほしいという思いから、ご飯ものは置かれていません。

 

こだわりのそばは、福井県などの日本海側で生産されたそば粉で、佐藤さんが納得したもののみを使っています。

 

佐藤さんは、「どうすればそばがおいしくなるのか」を独学で研究する中で、何度も試行錯誤しながらそばを作ってきました。そばを作るにあたって、ダメだと言われていることもやってみることで、新たな発見があり、おいしいそば作りのヒントになることもあったそうです。

例えば、細かいそば粉の方がつながりやすく、そばを成形しやすいと言われています。そこに、粗挽きのそば粉を入れることで、香り豊かなそばとなったそうです。

 

今回は、「十割そば」、「ゴマ胡桃(くるみ)そば」、「出汁巻」、「そばがき」をご紹介します。

 

 

 

木琴の十割そばは、ほんのり緑色がかかったそばの実を用いているため、市販のそばと比べて薄い色合いとなっています。薄い色合いだからといって、そばの風味が弱いかといえばそんなことはなく、食べた瞬間に豊かなそばの風味が広がります。

 

一口目は何もつけずにそのままで、二口目は塩で、その後は、特製のつゆにひたして食べてもらうのがおすすめ。

 

一口目は、そば本来の味や香りを味わい、二口目は、そばの甘みを感じて、その後は、そばとつゆの完成された一体感を味わえます。一つのそばで、まったく違った風味や食感、のど越しを楽しめます。

 

そばを注文するとついてくる松前漬けと、そばを一緒に食べるのが佐藤さんのおすすめの食べ方。松前漬けの酸味がいいアクセントとなるので、蕎麦の楽しみ方を広げてくれます。

 

 

女性人気が高いゴマ胡桃(くるみ)そばは、麺の上に乗せられたパプリカ(赤)、水菜(緑)、出汁(白)のコントラストが美しいそばです。

 

出汁は、白みそベースでコクがあり、もちもちのそばとの相性は抜群です。

 

のどごしの良いそばを出汁に絡めてすすれば、ゴマと胡桃の風味が口いっぱいに広がります。

 

そばは、噛むほどにそばの香りと風味が広がり、少し甘めの出汁が、そばの旨味を引き立てています。

 

さらに、麺の上に野菜やキノコなどが盛り付けられており、具沢山なのも女性に人気のポイントです。

そばを注文するとついてくる松前漬けは、酸味のあるサッパリした味付けとなっているので、そばに乗せて食べると一味違ったそばとしてお楽しみいただけます。

 

 

一品料理の出汁巻は、地元で放し飼いされている鶏からとれる卵から作られていて、しっかり出汁のきいた固焼きの出汁巻となっています。

添えてある山椒を乗せて食べると、出汁巻の甘さと山椒のピリッとした刺激がクセになる味わいです。

 

 

そば粉を熱湯でこねて餅状にしたそばがきは、もちもち食感でそばの風味が感じられ、上に乗せられた甘さ控えめのアンコと一緒に食べると上品な和菓子のような美味しさです。

 

また、木琴では、「木琴の味」、「そばんちの味」の2種類の万能調味料も販売しています。

 

「木琴の味」は薄口醤油ベース、「そばんちの味」は濃い口醤油ベースとなっており、そばつゆはもちろん、たまごかけご飯や煮物、炒め物などにも使えます。

 

『そばつゆが美味しすぎて、そばが引き立たないほど美味しく作った』とは、佐藤さん談。

こちらの万能調味料は、お店でのみの取扱いとなりますので、お店に来られた記念として、ぜひともお買い求めください。

 

 

さらに、木琴には、「サウナ」、「お風呂」、「図書館」といった施設に加え、宿泊スペースも整備されています。

 

木の香りを感じることができるお風呂にサウナ、多様なジャンルの本が並ぶ図書館と、そば屋の範疇に収まりません。待ち時間等に利用してもらうことが可能なので、ご利用の際には、お店の方にお問い合わせください。

 

 

 

 

佐藤さんは、今年でなんと82歳。

 

これからも、木琴で働いているスタッフの意見も聞きながら、「枠にはまらない」お店作りを進められるそうです。

 

今後チャレンジしたいこととしては、「木琴の味」、「そばんちの味」の全国販売や「予約制のべんちゃんコース(そばのコース料理)の提供」など、とても意欲的で、『自分の生活とのバランスを取りながら、木琴を営業していきたい』と、ハツラツとお話いただきました。

 

木のぬくもりあふれるお店と、自由に過ごせる空間と、おいしいそば。

 

大人も子どもも、ワンちゃんも楽しめる遊び心満点なテーマパークに、ぜひお越しください。

 

 

【手打ちそば 木琴】

住所:兵庫県丹波市山南町南中115-6

電話番号:070-2300-1156

営業時間:10:53~15:33

営業日:木・金・土・日

ホームページ:手打ちそば 木琴

Facebook:手打ちそば「木琴」

Instagram:@mokkn_teuti

 

 

私がレポート

稿
まる
1980年代
自然や食べることが好きで、私が気になった"丹波市"を発信中です。
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