その種に一番合った方法で、丁寧に搾った油を販売している「ablabo.(アブラボ)」。そして、日本酒を温めることで、最も味わい深い飲み方が出来ることを伝え、何度も通っていろんなお酒を買いたくなる「酒うらら」。

人気の2店舗が丹波市氷上町の上油利という地域で一つ屋根の下で営業しています。そのお店こそ、地域名から名付けられた、酒と油とワインのお店「kamiyuri」です。

 

 

 

昔ながらの圧搾法で美味しい油を届ける「ablabo.」

ablabo.は、美味しい油を求めて、原材料の種を選び、その種に最も適した方法で搾油を行う油屋さん。

昔ながらの圧搾にこだわり、搾った油を美味しく食べる方法も教えてくれるのが、岡山県の西粟倉村から2022年春に丹波市に越してきた蔦木由佳(つたき・ゆか)さんです。

 

 

香美町出身の蔦木さんは大学卒業後に岡山県西粟倉村の廃校を利用した木材会社に勤めます。

お料理が好きな蔦木さん。小豆島を訪れた際に出会った美味しいオリーブオイルから、油の面白さに目覚め、将来は油で起業をすると心に決められた、とのこと。

美味しい油を追求する中で、搾油の師匠と出会い、油を生産する志と技術を引き継がれました。

 

 

西粟倉村で人気を博したablabo.ですが、原材料となる種を生産してくれる農家さんたちの高齢化を感じたことで、農業が身近で、また若い農家が多い丹波市に物件を見つけ、工房と拠点を移転します。

実家からの距離も近くなり、職人である父の力も借りながら、住まいの一部を店舗として自分たちで改装。

西粟倉村で出会い一緒に暮らしたこともある「酒うらら」の道前さんが、朝来市に住んでいたことから、酒と油とワインのお店「kamiyuri」が2023年の4月に誕生しました。

 

日本酒の味わいを引き出すお燗を提案する「酒うらら」

酒うららは、お燗して飲むのに美味しい日本酒を取り揃え、またそのお酒を美味しく飲める温度や味わい方を教えてくれる酒屋さん。

日本酒を普段は飲まない人でも、はじめてお燗して飲むのであれば、絶対に酒うららのお酒。自信を持ってお勧めしてくださいます。

ゆっくりと温度を上げていくことで味を引き出し、お燗にはまった人がまたお酒を求めて買いに来る。そんな酒うららを展開しているのは、島根県出身の道前理緒(どうまえ・りお)さんです。

 

 

お酒が好き過ぎる道前さんは地域おこし協力隊として西粟倉村に移住。蔦木さんが働いていた廃校で酒屋さんを始めます。

蔦木さんが丹波市に来るタイミングより2年ほど前から朝来市で暮らし始めた道前さん。kamiyuriができるまでは、西粟倉村と朝来市を行き来する日々でした。

お米でできている日本酒には、味は違えど、合わない料理がほぼありません。炊き立てのご飯のように、どんなものにでも合う日本酒を温めることで、最も味わい深く飲めるお燗の魅力を、出張日本酒バーや講座なども通じて伝え広げています。

 

 

道前さんがお店に立つのは土日が多いので、日本酒についてお話を聞きたい場合は土日を狙って行くのがオススメです。

甘酒や調味料もたくさんあるので、お酒が飲めない人も気軽に来て、ぜひ楽しみ方をお聞きください。

 

美味しさ・楽しみ方・あり方を伝えてくれるkamiyuri

kamiyuriのもうひとつの特徴は、置いてあるワインが日本ワインしか扱っていないこと。

こちらは山梨県出身の蔦木さんのご主人、伸一郎さんのこだわりセレクトです。ワインを探す旅にも出るほどの日本ワイン好きなのだとか。

酒類の販売には免許が必要となるため、酒うららが一緒にkamiyuriを営業することになったことで、はじめて実現したラインアップとなっています。

 

 

小さなお店にお酒と油、そしてワインがずらりと並ぶkamiyuri。

お客さんとのコミュニケーションも取りやすい距離感です。

 

 

環境をとても大切にしているkamiyuriでは、量り売りを推奨しています。

素材の味を感じる「胡麻」「向日葵」「菜種」の搾りたての油。そして、お料理に合わせてブレンドした油。

お料理を普段しない方でもablabo.の油は、素材にかけるだけでも美味しい。そして、どのような用途にどんな油が合うかも教えてくれます。

 

 

量り売りの調味料も普段見かけないものがたくさん。

お買い求めの場合は、プラスチックは油で溶けやすいため、ぜひ大きさに合わせた瓶をお持ちください。

 

 

お酒に醤油に油など、搾った後に出た粕は、実はそのまま食べても美味しいものばかり。

流通が広がる過程で廃棄されるようになってしまったものを、量り売りで購入いただけます。

 

 

 

油が抜けた金胡麻の搾り粕は、酸化することもなく、使う分だけ軽く炒れば香りもよく、そのままでもすり胡麻のように様々なお料理にも使えます。

お醤油の風味がそのままの醤油粕はご飯にかけるだけでも美味しく、金胡麻の搾り粕と混ぜても贅沢なふりかけに。

搾りたての向日葵油に醤油粕とニンニクを入れて、アヒージョとして蒸した牡蠣や野菜を食べても最高です。

柚子酒の搾り粕は塩や唐辛子と混ぜるだけで柚子胡椒が出来上がります。

こちらも容器を持参して、ぜひ食べ方も気軽にお聞きください。

酒に油にワイン、そして料理を味わいつくす。それが、酒うららとablabo.そしてkamiyuriを楽しむ方法です。

 

 

 

他にはない品揃えの豊富さは、何も知らずに来た人でも思う存分楽しめるお店です。

今後は、飲食を楽しめるイベントも考えているというkamiyuri。

お料理が好きな人、お酒が好きな人はもちろん、普段あまり飲まない人、お料理をしない人も新しい味わいの魅力にどっぷりと浸かりに来ませんか。

 

 

酒と油とワインのお店kamiyuri

兵庫県丹波市氷上町油利272

営業日 金・土・日(第三日曜は定休)

@kamiyuri_sake.oil.wine

 

ablabo.

@ablabo_work

 

酒うらら

@sakeurara

私がレポート

稿
ほたる
女性
1980年代
県外から丹波市に移住、素敵な人達との出会いに心躍る日々。食べ歩き、文化体験、アウトドアなど、浅く広く興味があり、「とりあえずやってみる」がモットー。体験してみて感じた等身大の感想をレポートにしてお届け中。
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