青垣インターから近い岩屋山を見上げると、パラグライダーが飛んでいる姿を見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。今回は、初めての方でも最短で5分後には空で風を感じることが出来るパラグライダーの体験取材をさせていただきました。
▼車から空を見上げるとパラグライダーが飛んでいました
パラグライダー体験の流れ
今回、筆者は飛ばず、代わりにカメラマン(以下:体験者)に飛んで貰いました。
体験者の密着レポで、パラグライダーが気になっていた方や、体験はどんな行程なんだろう?と緊張している方にも分かりやすく順を追ってレポートしていきたいと思います。
また、今日は取材の為、特別に丹波でパラグライダー体験の申し込みが出来る「TAK」さん、「RollOut」さん、「丹波(たんぱら)」さんという3つのパラグライダースクールの皆さんにお世話になりました。基本的にはどこのパラグライダースクールさんで申し込まれても同じ体験ができます。
※この記事の体験者はRollOutさんで体験させていただきました。
お申し込み~フライトまでの流れ等もRollOutさんのものとなっており、各スクールさんによって異なる点がありますので、ご留意願います。
まずは申込用紙に記入します。初めて飛ぶ人はここで一気に飛ぶという緊張が増すはず。
気になる事や心配なことは、スタッフさんに尋ねれば、丁寧に答えてくださいます。
これから山に登るのですが、どんな流れであるか説明を受けます。
▼説明して下さっているのはRollOutの加藤かおりさん
岩屋山にはパラグライダースクールの車で登っていきます。テイクオフ場までは車で約30分。
RollOutさんでは、車内で動画を見るのですが、注意事項や着地の際のレクチャー等、映像で説明してもらえるので体験者は「飛んでから着地までのイメージトレーニングが出来た」と話していました。
※ 各スクールにより説明方法が異なります。
▼離陸地点に到着したら荷物を背負ってテイクオフ場へ向かいます。徒歩2分くらいです。
▼大きな荷物ですが、重くないそうです。
▼ここがテイクオフ場です。
さっきまでいた場所が小さく見えるこの場所から飛び立ちます!!
高度は約630m、日本一高いタワーの東京スカイツリーが634 mなので、そこから飛び立つイメージです。
ハーネスや器具を装着しながら説明を受けてます。
今回は「タンデムフライト」といって、経験豊富なパイロットと飛ぶ2人乗りパラグライダーの体験です。
飛んでる姿を撮影してくれるオプションがあり、こんな風にGoproで体験者の飛行表情を残してくれます。
▼飛び立つ準備が整い、後はフライトに適した風が吹くのを待つだけです。
準備が出来た直後は少し風が止まっていたのですが、しばらくするとさわさわと風が吹き始めました。その風を確認した瞬間、体験者達が山の斜面を歩き出し、パラグライダーがスッと空中に浮かびました。飛ぶというより、空中に座りにいっているような感じでした。
風が吹くタイミングを待ちましたが、それでもテイクオフ場に着いてから飛び立つまでの所要時間は約6分。自然相手のアクティビティなので、風が吹かない時は30分以上待つこともあるそうなので、ラッキーでした。また、風が吹いたら躊躇なくすぐに空に浮かぶことが出来るところが、ベテランパイロットと飛べるタンデムフライトの魅力だと思いました。
ちなみに、岩屋山にはテイクオフ場が3つあり、風によって飛び立つ方角を変えられるので、フライトできる確率が高いところもパラグライダーをする人たちには魅力なんだそうです。
鳥になれる空の散歩
ここからは、TAKのパイロット只野正一郎さん、Roll Outのパイロット加藤豪さんに撮影いただいた写真と共に、青垣町の空をとんでいる人たちが楽しんでいる空からの景色をお楽しみください。
▼手足を自由に動かせます。ブランコに乗っている様です
▼体験者曰く、真上からみた森の木々がブロッコリーの様だったそうです
▼山を抜けると足元に街並みが見えてきます
▼着地ポイントが見えてきました
▼飛行時間約10分の空の散歩、無事着地で終了です
飛びたい想いを抱く人は全員飛ばせてあげたい
今回、タンデムフライトでお世話になった只野さん、加藤さんに改めてお話を伺いました。
筆者は今まで、パラグライダーと聞くと、特別な資格や免許がないと飛べないものだと思っていましたが、「タンデムフライト」という存在を初めて知り、またその体験のお手軽さに驚きました。
ただ、パラグライダーは風に乗るので、強風や土砂降りじゃない限りは飛べるそうですが、安全を考慮し、飛ぶ直前まで風をチェックした上で飛行可否の判断をされています。その為、いざテイクオフ場に立っても、フライトに適した風が吹かなければ飛べないということもあるそうです。
よく、運動会でいい天気に恵まれると、校長先生がみんなの日ごろの行いがいいから晴れたんですよと話していましたが、そういうのがパラグライダーの世界にもあるのかなとお話を伺いながら感じました。自然の中でのアクティビティならではのお話です。
▼Roll Out(ロールアウト)の加藤豪さん
また、只野さんは、障害がある人や高齢者であっても「飛びたい」という思いを温めている人がいるのであれば、可能な限りその夢をかなえてあげたいと語ります。例えば、スカイダイビングであれば18歳~65歳の年齢制限があり、身長や体重にも制限がありますが、パラグライダーはフライトに適したいい風が吹けば、小さな子供からお年寄りまでタンデムフライトを楽しめるそうです。
体重も、申し込みの際に40キロ未満の方、80キロ以上の方は事前に申告をするようになっていますが、それはフライトの道具等、フライトの為に必要な準備をする為だそうです。只野さんは最高年齢は90歳、最高体重は130kgのタンデムフライトの経験をされています。女性は体重を伝えるのが恥ずかしいと思いますが、正確に申告することでベストなフライトプランを考えてくださるので、正直に書くことが大切だなと思いました。
▼TAK(タック)の只野正一郎さん
また、パラグライダーは遊園地のアトラクションの様に乗れば飛べるものではなく、自然の風を相手にするからこそ、どれだけ飛びたい想いがあっても、空との縁があって風が吹かなければ飛ぶことが出来ない特別なアクティビティ、同じ風は二度と吹かないからベストフライトは毎回更新されるという言葉も印象的でした。
これから初めてパラグライダーを飛ばれる方へのアドバイスを伺ったところ、服装に注意してくださいとのことでした。特にスカートは向いていません。パラグライダーで飛行する際は、肌を露出しない長袖・長ズボンがおすすめです。これは、上空は肌寒い場合があることと、着地の際に地面につく為です。履物もサンダルやヒールはNGで運動靴が良いです。
ちなみに、今回筆者が体験者の写真を見ていて思ったのですが、もし、撮影オプションを頼んでいて、SNSやWEBでの写真使用が目的であれば、明るい色合いの長袖・長ズボンが映えると感じました。汚れてもいい服と言われると、汚れたら捨ててもいいくらいの服を選びがちですが、せっかくの撮影フライトならパンツと運動靴スタイルでのおしゃれも考えてみるのはいかがでしょうか。
▼Goproは全身映ります
四季折々の景色を1年中楽しめる青垣町のパラグライダー
青垣町のパラグライダーは、1年中飛べるそうです。また、お天気に関しても、筆者は晴れた太陽が出ているタイミングじゃないと飛べないと思っていましたが、前述の通り、とにかく風が大事で、初心者や撮影をする場合は曇りくらいがいいそうです。
今回の撮影のタイミングではすでに田んぼの稲刈りが始まっていましたが、稲刈りをする1週間前がおすすめとインストラクターの方に伺いました。只野さんと加藤さんのおすすめは初夏だそうで、早くから日が昇り、新緑が綺麗で緑の稲がなびいて風の通る道が分かるそうです。他にも、冬や早朝は雲海が見られたりするそうで、今回見られなかった景色の写真をお借りしました。
▼新緑が綺麗な夏のフライト
▼雲海に向かってフライト
▼雪景色をフライトで眺める
四季折々の丹波の景色を空から楽しめることが出来るのも、パラグライダーの魅力のひとつです。
加藤さんは「特別なスポーツではあるが、まずは気軽に参加してほしい。」と話されました。
また今回、丹波市在住の体験者の方にも感想を伺ったところ、「丹波はいいところだと違う視点から良さを感じることができた。今度はチャレンジコースも体験してみたい」と話され、すっかりパラグライダーに魅了された様子でした。
▼チャレンジコースとは丹波市立初級パラグライダー練習場で自分の足でのフライトに挑めるアクティビティです
今回、インタビューの場で筆者は、体験者を含めパラグライダーを飛んだことがある人達にしか分かり合えない気持ちの繋がりが生まれている様に感じました。自分で飛んだからこそ感じられる風の感覚や目に映る景色、話を聴いていくうちに、正直段々とうらやましくなるほどでした。
▼只野さんと加藤さん。後ろの岩屋山の電波塔のあたりから飛びました
コロナ禍でアウトドアが人気な昨今、空ほど密じゃない環境はないと思います。
フレッシュな酸素をたくさん吸ってリフレッシュしたい方は、是非、青垣町の空で散歩を楽しんでください。
タンデムフライトを申し込めるパラグライダースクール
■「Roll Out(ロールアウト)パラグライダースクール」
HP:https://rollout.jp/
受付時間:7:00-21:00
定休日:火曜日(祝日は営業)
■「TAK(タック)パラグライダースクール」
HP:http://www.tak.ne.jp/
受付時間:8:00-21:00
定休日:月曜日(祝日は営業)
■「丹波パラグライダースクール」
HP:https://tambapara.jp/
受付時間:ショートメールで24時間受付(090-3030-0864)
定休日:木曜日(祝日は営業)
- 投稿者
- MATY
- 性別
- 女
- 年代
- 1980年代
- コメント
- 自ら取材やレポートを行い、一次情報の記事を大事にしているフリーランスのライター。高校時代から趣味でホームページを開設。発信で世界と繋がる魅力にハマり、以降も趣味が出来るごとにブログを綴る。動物看護士、大手通販会社勤務、全国の百貨店を飛び回る催事販売員を経て2019年独立。趣味は社会人サッカーリーグの魅力を発信すること。ドリカムを崇拝しているアラフォー。