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    Date:2025.12.05

糸を紡ぎ伝統を紡ぐ「工芸の店KABURA」

 

JR柏原駅から徒歩5分の場所にある「工芸の店KABURA」。

 

外から機織り機がのぞく店内には、国指定選択無形文化財であり県指定伝統的工芸品に指定されている「丹波布」を使った商品が並んでいます。

 

 

 

今回、お話を聞かせていただいたのが、工芸の店KABURA代表のイラズムス千尋(ちひろ)さん。

 

 

KABURAは、丹波布技術者協会の有志により運営されているお店で、名前の「KABURA」は、糸車で糸を紡いだ時にできる「かぶら玉」からとられています。

 

紡いだ糸の形が、野菜のカブ(カブラ)に似ていることから、その名がついたと言われています。

 

 

この糸を使って織られる布が、丹波布です。

 

丹波布は、江戸の末頃から明治の初め頃まで、現在の丹波市青垣町佐治地域周辺で作られていました。時代の流れと共に一時は衰退しましたが、技術が再興され、今では県指定伝統的工芸品の指定を受けています。

 

 

「綿を手で紡いで糸にする」「紡いだ糸を身近にある草木を使って染める」「織る際に緯糸(よこいと)につまみ糸と呼ばれる絹糸を一部使う」「手織りする」という4つの約束を守って、丹波布技術認定者(丹波布伝承館にて、2年間の修行を経て、技術が認められた人のこと)が作成した布のことを言います。

 

丹波布の特徴は、木綿を主としているため丈夫で、吸水性や通気性が良く、家庭で洗濯もできる等、機能性に優れています。

また、使えば使うほど手に馴染み、経年の変化を楽しめることも特徴の一つです。

 

KABURAでは、様々な丹波布作家が制作した商品を取り扱っています。

 

店頭に並べられた商品は、同じアイテムでも色や柄が違うため、ひとつとして同じものがありません。それぞれの印象が異なるアイテムから自分のお気に入りを見つけられるのも魅力です。

主に、日常使いできる巾着、財布、ポーチ、ペンケース、名刺入れ等すぐに使いたくなるものばかり。人気があるのは、巾着等の袋物だそうです。

 

 

 

 

日々の生活の中で、手紡ぎ木綿のよさを感じてもらいたい、という思いのこもった商品となっています。

 

長く使って布を育てる(経年変化を楽しむ)ために、しっかり布に色をつける等「いい布づくり」を心がけているという千尋さん。他の丹波布作家が作成した商品も、店頭に並べる前に、縫製なども含めてしっかり検品を行っているので、自信をもって丹波布の商品をお買い求めいただけます。

 

購入いただいた丹波布の商品の取扱いで気を付けることは、「直射日光を避けて保管すること」。主な染料が草木であるため、直射日光に当て続けると退色しやすくなりますので、ご注意ください。

 

KABURAでは、丹波布に触れて、親しみを持ってもらいたいという思いから、多種多様なワークショップを行っています。

 

ワークショップは予約が必要ですが、一部ワークショップでは、予約なしで参加できるものもあります。

 

ワークショップの予約は、お電話(0795-71-1683)または、KABURAホームページの問い合わせページ(https://kabura-tambanuno.com/contact/)にて受付けています。

 

 

一番人気は、「かぶらの糸紡ぎ教室」(要予約)

 

糸車を回しながら、綿が糸に変わっていく工程を体験できます。

体験時間は、10時~12時半または13時~15時半の2時間半で、受講料は材料費込で2,500円[税込]です。

 

作成した糸は、体験の記念にお持ち帰りいただけます。

糸車の数に制限があり、一度に体験できる人数が3名までとなっています。(多人数の場合は、予約時にご相談ください)

 

 

 

他にも、丹波布で作る日用品として、「コースターづくり」や「ブックカバーづくり」も人気のワークショップ。(いずれも予約不要)

 

コースターづくりは、体験時間が10時半または13時から1時間程度、受講料は材料費込で1,000円[税込]です。

2枚以上のコースターの作成を希望する場合は、1枚追加につき800円[税込]となります。

 

ブックカバー(文庫本サイズ)づくりは、体験時間が10時半または13時半からの1時間半程度で、受講料は、材料費込で3,000円[税込]です。

 

これらコースターやブックカバーづくりでは、様々な色柄の布の中からお好きなものをお選びいただき、コースターやブックカバーに仕上げていきます。

 

丹波布は、長く使ってもらうほどに馴染んで丈夫になっていきますので、お気に入りの布を使って、日々の生活をお楽しみください。

 

 

また、珍しいワークショップを楽しみたい方は、店内の入口近くにある機織り機を使った「はたおり[手織りの花びん敷作り]」体験(要予約)もおすすめ。機織り機を使って、布を織りあげる体験ができます。

 

体験時間は、10時~15時のうちの2時間まで(最終受付時間は14時)で、受講料は、20cm×20cmの花びん敷で2,800円[税込]となります。なお、20cm以上を希望される方は、10cmごとに1,000円追加となります。

 

さらに、「竹かごワークショップ」(要予約)や、体験場所が変わりますが「手拭いを染める」体験(3週間前までに要予約)(場所は柏原古市場公民館)等も行っています。

 

竹かごワークショップ以外は、KABURAの営業日(金、土、日、月)で行っています(竹かごワークショップは、日曜日開催)ので、体験希望の方はお気軽にお問合せください。

 

KABURAには、幅広い年齢層のお客さんが来店されます。

 

そのきっかけの一つは、丹波市観光アンバサダーである俳優の新木宏典(あらきひろふみ)さんの存在があります。

新木さんのフォトブック「“新”発見 丹波ガイド」で、KABURAに来店された新木さんが糸紡ぎ体験を行っている様子が掲載され、それ以降ファンの方の聖地として親しまれています。

 

また、丹波布技術者協会から、丹波布を用いた着物を提供し、実際にイベントで着物を着用いただくなどのコラボも行われているそうです。

 

(提供:ワタナベエンターテインメント)

 

(提供:ワタナベエンターテインメント)

 

「丹波布のよさを分かってもらいたい」という思いから始められた「工芸の店KABURA」。

 

丹波布を見るだけでなく、見て・触って、日常に取り入れて欲しいと千尋さんは言います。

 

決まった色や柄のない、お気に入りの商品を探して、日々使うからこそ生まれる丹波布の良さを体験してみてください。

 

 

【工芸の店KABURA】

住所:丹波市柏原町柏原46

電話番号:0795-71-1683

営業時間:10:00~15:30

定休日:火~木

ホームページ:KABURA

Instagram:@kabura.tambanuno

Facebook:Kabura 工芸の店 かぶら

 

 

 

私がレポート

稿
まる
1980年代
自然や食べることが好きで、私が気になった"丹波市"を発信中です。
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