丹波市の城址では「黒井城跡」が有名ですが、 負けず劣らず楽しめる城跡はまだまだあります。

 

 

今回ご紹介するのは山南町にある「岩尾城跡」。 標高は358mで、実は黒井城跡とほぼ同じ。1516年に和田日向守斉頼が築城したと伝えられ、明智光秀の丹波攻略によって1579年に落城しました。その後、歴史の波に飲まれながら改修、取り壊しを経て、今ではその時代を感じられる石垣や、美しい自然と風景を楽しむことができます。

 

今回の取材では、ふるさと和田里山づくり協会、ふるさと和田振興会の方々に登山ガイドとして同行いただき、岩尾城の見どころポイントを周りました。ぜひ実際に登山する際の参考にしてくださいね。

 

(今回登山ガイドいただいた、ふるさと和田里山づくり協会 会長 村上 芳功(ムラカミ ヨシノリ)さん。)

 

(同じくガイドいただいた、ふるさと和田振興会 推進員 永井 隆文(ナガイ タカフミさん。)

 

 

登山当日は、それぞれの車で現地合流。駐車場は「和田地域づくりセンター」もしくは「ふるさと和田振興会」を検索してご利用ください。 近くにはバス停もありますが、本数が少ないため、お車で行かれることをオススメします。

 

 

登山前に必ず済ませておくのはお手洗い。ふるさと和田振興会館には外側から利用できるお手洗いがこのたび設置されました。ぜひご利用ください。

 

 

 

会館内で岩尾城イラストマップをゲットしたら、ぜひLINEのオープンチャットに登録を。ここでは、登山に関するリアルタイムの情報が発信されていますので、当日の山の状況を知ることが出来たり、同じ登山者との情報共有などで活用できます。

 

 

 

準備ができたらいよいよ登山開始!

入山口はいくつかありますが、今回は通称「和田小学校登山ルート」を選択。他のルートに比べてわかりやすく、登りやすいため、初心者にもオススメです。

ただこちらのルートは小学校の敷地内を通るため、平日は職員室(0795-76-0002)へご連絡をお願いします。

 

 

 

校舎裏手の石段を上がって裏山へ。動物よけの金網を開けて入り(必ず閉めること)、急斜面をジグザグと登っていきます。足場はしっかりしていて歩きやすく、道を間違うことはなさそうです。

 

 

ありがたいのが、要所要所に出てくる案内板で、頂上への目安が書かれています。4/12と表示されていた場合、登山道を12分割したうちの4まで来てますよ、という意味で、先の見通しがつくと安心しますね。

 

 

 

また黒井城と大きく違うのが、見晴らしのいい休憩ポイントがいくつかあること。街を見下ろしながら「あそこからここまで登ったんだ...」という達成感を感じられます。

見晴らしがいいのは、ふるさと和田里山づくり協会やふるさと和田振興会の積極的な整備のおかげ。この日も登山の邪魔になる草木を切りながら、こまめに手入れをされていました。

 

 

 

 

道中、すれ違った4人組の登山客男性に声をかけてみたら...なんと!みなさん御年80才越え! まさしく老若男女、幅広く楽しめるお城なんですね。 みなさん「この程度なら全然楽勝だよ〜」と言われて頭が下がる思い。取材スタッフ一同、ゼエゼエと息が上がっていたのが恥ずかしくなりました..

 

 

 

そして登山8/12の「南曲輪(みなみくるわ)」を通り、

 

 

 

堀切と掘井戸へ。

 

 

 

特にこの掘井戸は、山の上にある珍しい井戸。深さ7mで、現在も豊富な水量を保っています。数年前に底の泥を汲み上げたら、当時の木簡が出てきたそうです。

 

 

ここまできたらゴールは目前! しかし足元はより険しくなりますので、気を抜かないように注意しましょう。

眼下に見える美しい里山を堪能しながら、ふと上に目をあげるとそこには立派な石垣が!

石垣の角を鋭角に積むための特殊な技法を使ったもので、頑丈で堅牢な姿がそのまま残されています。

 

 

天守台、二の丸、西の丸にもわずかながら痕跡が残り、小規模なお城ながらも歴史の面影を感じることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何より素晴らしいのが頂上からの眺め!取材日は5月晴れだったので新緑が眩しく、真っ青な空と美しい里山とのコントラストが堪能できました。

オススメはやはり春と秋。気象条件によっては雲海も見ることができるそうです。

 

 

 

そして下山へ。

 

 

通常は来た道をそのまま戻りますが、今回はガイド付きということで、途中でやや難易度が高い別のルートへ変更。

 

 

ただ、こちらは足場が悪く、石と苔で滑りやすいので(実際何度もコケた...)、あまりオススメはできませんが、途中で出会う大きな「だるま岩」はかなりの迫力。思わず手を合わせたくなります。

 

 

けれどそこまでのルートはかなりキツイので、初心者や、滑りやすい靴を履いている人は勇気ある撤退をお願いします。

 

スタートからゴールまで、ゆっくりペースで登山したらちょうど2時間。その後はすぐそばの薬草薬樹公園の本格薬草風呂で汗を流しましょう。館内にはレストランもありますので、同時にお腹も満たされます。

 

丹波市で湯巡りを楽しもう「国領温泉 助七」「薬草薬樹公園」

 

 

 

今回の岩尾城跡は、春日町の黒井城跡に比べるとまだまだ登る人はそこまで多くはありませんが、城址マニアの間では隠れた名所となっており、京阪神からはもちろん、日本全国から登山客が訪れているのだそう。

メジャーになって混み出す前に、是非とも登っておくことをオススメします。

 

交通は、電車の場合はJR福知山線谷川駅を下車後、路線バスにて各登山口近くのバス停まで来ることができますが、電車もバスも本数が少ないために、自動車でのお越しが便利です。

 

岩尾城趾登山ルート

  • 和田小学校ルート(今回取材の往路)
  • だるま岩(郵便局)ルート(今回取材の復路)
  • 親縁寺(大手筋)ルート
  • 和田下町ルート

 

ふるさと和田振興会

https://hurusato-wada.com/

私がレポート

稿
ほたる
女性
1980年代
県外から丹波市に移住、素敵な人達との出会いに心躍る日々。食べ歩き、文化体験、アウトドアなど、浅く広く興味があり、「とりあえずやってみる」がモットー。体験してみて感じた等身大の感想をレポートにしてお届け中。
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