四方を山々に囲まれた兵庫県丹波市。日本海と瀬戸内海に挟まれた兵庫県内にありながら、そのどちらの海からも遠い中山間部にあり、鮮魚を購入できる小売店はあまり見当たりませんでした。そんな中、2021年11月にオープンした鮮魚小売店、その名も「山之魚屋やまのさかなや」が話題です。

 

丹波市で新鮮で良質の魚が買える?「山之魚屋」とは

 

 

山之魚屋は、丹波市柏原町母坪、国道176号線沿いのアクセスしやすい場所にあります。現在、水曜日から日曜日の10時半~売り切れるまで開店。オープン当初は金、土、日の週末限定の魚屋さんでしたが、お客様の強いご要望により、オープン日が増えました。

 

 

店長を務める西村孝にしむらたかしさんは、明石市在住。かつては高級スーパーマーケットで鮮魚売り場を担当していました。その時に身に着けた知識と経験、ルートを活かし、鮮魚がなかなか手に入らない丹波市でお店をオープンすることを決意。店内には、明石近郊の瀬戸内海産のものを中心に、西村さんの眼で選んだ全国の新鮮な魚貝類がずらり。高級スーパーのような品揃えが、お求めやすい価格で並んでいます。

 

 

鮮度抜群の魚を届ける魚屋さんは早起きが基本。多くの人たちが送る生活サイクルに比べて半日ほど早いサイクルで毎日を送っています。営業日の午前4時には、西村さん自ら明石や大阪の卸売場まで仕入れに出向き、鮮度抜群の魚をそのまま丹波市のお店に運びます。丹波市内のスーパーマーケットでも鮮魚の取り扱いはありますが、日本海で獲られた魚が多く、瀬戸内の魚を食べられる機会はまれです。「丹波市近郊の人たちにも、身の締まりが良く、臭みのない瀬戸内の魚をぜひ味わってもらいたい」と西村さんは話します。

 

 

魚の本当の美味しさを、もっと身近に。

 

「一度食べると忘れられない味」と、丹波市、丹波篠山市、三田市、西脇市などからリピーターも多数訪れている山之魚屋。魚が苦手なお子さんも、「ここの魚なら喜んで食べる」ということで、子育て世代のお客様からも大好評。切り身のパックになる前の丸のままの魚を見ることができるのも、子どもたちにとって食を学ぶいい機会です。

 

(一見調理が難しそうなせこがにも、簡単な調理法を教えてくださいます)

 

 

 

魚食が健康に良いというのは広く知られています。魚の油には、血液中の中性脂肪の値を下げる効果があり、魚油に含まれるEPAやDHAなどは虚血性心疾患や脳卒中などの予防に役立つとも言われます。魚を食べる機会を増やしたい、家族に魚を食べてもらいたいと思っても、調理方法がよくわからないなど、魚料理にハードルを感じている人も多いのではないでしょうか。魚料理への苦手意識を克服するには、質の良い魚の本当の美味しさを知ること、そして専門家に教えてもらうことが近道です。

 

 

取材中も常連さんの来店がありました。西村さんの接客はさながらカウンセリング。お客様が「こんな人に、こんなシチュエーションで食べてもらいたい」「魚が好きだけど、刺身は好きでない」など相談し、西村さんが「それならこの魚がいいですね。ソテーにしてもいいし、フライや天ぷらで美味しくいただけますよ」など調理方法をアドバイス。どれもシンプルで「やってみようかな」と思える調理法なので、食卓のレパートリーが広がること間違いなし。家庭の主婦・主夫、酒のアテ目当ての会社員のほか、飲食店や宿泊業を営む方たちも仕入れに来られ、それぞれのニーズに合わせたお買い物を西村さんが提案してくれます。

 

 

「質のいいものばかりを仕入れているので、凝った調理法をしなくても十分ごちそうになります」と話す西村さん。魚を食べて喜んでもらうには、料理の技術よりも「どんな魚を使うか」が重要なのだとか。焼くだけ、煮るだけ、刺身で……など、シンプルな料理で魚本来の美味しさを味わってほしいと話す西村さん。ですが、その前段階の「魚をおろす」ところに抵抗がある方もいるかもしれません。自分の包丁さばきに自信がないときも、西村さんの力を借りるのがおすすめ。一本の魚を+300円で刺身に調理してくださるほか、各種調理法に対応してくださるので、困ったらまずは西村さんに相談してみてください。

 

(とろっとした食感にハマる、新鮮じゃないと食べることができないレアなホッケの刺身)

 

 

刺身のツマも、地元産の大根を使用するこだわりぶり。

 

暮らしに寄り添う魚屋さん。遠方からもリピーターが

 

 

 

保存容器を持参すると入れてくれるので、プラスチックごみを減らすこともできます。お皿を用意していくと、きれいに刺身の盛り付けまでしてくださるので、そのまま持って帰って出すだけで調理完了。食卓がぐっと華やかになります。

 

 

 

これまで手に入りにくかった良質な瀬戸内産の鮮魚を、我が家の食卓にと、市内・近隣地域からのお客様に好評の山之魚屋ですが、遠方のお客様からも注目されています。都市部では手に入らない値段で高品質の鮮魚が買えるということで、クーラーボックス持参で訪れる人も。効果的な保存方法も西村さんから教えてもらえるので、丹波方面に訪れる際には、ちょっと意外に思われるかもしれませんが、魚をお土産にするのも一つのアイディアです。日々変わる仕入れ状況は、営業日の開店前にSNSで更新。目玉商品をチェックしてお越しください。

 

 

山之魚屋 八蔵水産

所在地:〒669-3311 兵庫県丹波市柏原町母坪431-1

電話番号:0795-81-4022

ホームページ:https://yagusui.co.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/yamanosakanaya_yagura/

営業時間:10:30~売り切れ次第閉店(15:30最終)

定休日:月曜、火曜

私がレポート

稿
あずさ
女性
1980年代
丹波に引っ越して10年超、地元の魅力に興味津々な日々を送るアラフォー。新たな発見と体験が大好き。地元のグルメ、おいしい料理や隠れた名店を見つけることが楽しみで、アクティブな趣味にも挑戦したいと妄想中。
地元のローカルな魅力や美味しい食べ物、多彩な楽しみ方をどんどん発信していきます!
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