3月といえば、女子がいくつになってもうれしいひな祭り。一般的には、3月3日が桃の節句で、ひな祭りを行う日とされています。3月3日が過ぎたら雛人形を片付けないといけない、と伝えられているところも多いことでしょう。ところが丹波市では、ひな祭りはひと月遅れの4月3日。旧暦(和暦)でいう3月3日(新暦の4月3日)にかけて祝う風習が残っています。ということで、これからが丹波市のひな祭りの始まりです。もう少し、ひな祭り気分を楽しみたい。そんなあなたは、この機に丹波市のひな祭りで雅な気分を味わってみませんか?

 

ユーモアあふれる人形たちのポーズが楽しい「丹波・佐治福よせ雛」

丹波市青垣町佐治で2月26日(日)から開催中の雛巡り「丹波・佐治福よせ雛」は、一風変わった「雛段から降りたお雛様たち」という趣向で雛人形が展示されています。それぞれの家庭で大切に飾られつつも、事情により手放さなければならなかったり、いつしか飾る機会がなくなってしまったりしたお雛様を引き取って、第二の人生を歩んでもらおうというもので、段飾りの展示ではなく、人形たちが生き生きと暮らす様子などユーモアあふれる展示がされています。

 

 (築約160年の古民家・衣川會舘での展示)

 

「丹波・佐治福よせ雛」は、名古屋を中心に全国30か所以上で展示の輪が広がっている「福よせ雛」プロジェクトの兵庫県内唯一の会場です。「福よせ雛」のコンセプトは、持ち主の手元を離れた雛人形に新しい命を与えて、日常生活を表現する展示で、人形たちがまるで現代人のような暮らしを繰り広げる世界が各地の展示会場で楽しめます。

 

丹波・佐治福よせ雛が開催される丹波市青垣町佐治は、古くは街道沿いの宿場町として栄えた場所で、いまも昔ながらの趣のある建物が残っています。町全体を展示会場として、築160年の古民家をはじめ、銀行、酒屋、飲食店、化粧品店、メガネ店など10か所でそれぞれ趣向を凝らした展示が楽しめます。

 

(酒屋のツバメヤの展示。ほとんどの会場がショーウィンドウなどガラス越しに展示を鑑賞できる) 

 

丹波・佐治福よせ雛の見どころは、なんといってもユーモアあふれる人形たちのポーズです。雛段ではお淑やかで厳かな雰囲気を纏っていた人形たちが、段上での役割を終えて余暇を満喫しているかのごとく、お花見に釣り、パラグライダーといったアクティビティに挑戦しています。

 

(コミュニティスペース&文具店・本町の家の展示)

 

そして、人形たちに現代人のようなリアルさを感じさせる様々な小物使いも必見です。例えばメガネ店に展示されている人形はオシャレなセルフレームのメガネをかけていたり、元薬局の展示会場では、ナースキャップと白衣を身に着けたお雛様が本物そっくりのミニチュアの視力検査表を使って検査を行っていたりします。その多くが「丹波・佐治福よせ雛」の運営に関わるスタッフの手づくりです。展示会場の銀行、酒屋、飲食店、化粧品店、メガネ店それぞれ、お店にゆかりのある展示内容と精緻につくられた小物に目を奪われること間違いなしです。

 

(メガネと補聴器のお店アオクラの展示) 

 

(元薬局をリノベーションした建物・センバヤの展示)

 

開催期間のうち休日や祝日には、カフェなどの飲食ブースの出店もあるので、ゆったりと10か所の会場と佐治の町を散策するのがおすすめです。

 

(毎月第4日曜に開催されるサジイチ。パンや加工食品、ランチ、カフェなどが楽しめる。3月は26日(日)開催予定)

 

丹波・佐治福よせ雛

開催期間 2023年2月26日(日)~3月26日(日)

時間   10:00 ~ 15:00

会 場  兵庫県丹波市青垣町佐治の町なか 10か所 MAP参照

主 催  丹波・佐治福よせ雛実行委員会 NPO法人 佐治倶楽部

問合せ  080-8841-4223

Instagram  https://www.instagram.com/sajifukuyosehina/

Facebook https://www.facebook.com/sajifukuyosehina

 

会場MAP 

 

 

 

 

 

織田家ゆかりの街並みとお雛様で感じる春「丹波かいばら雛めぐり」

 

(写真は一昨年開催の様子)

 

丹波市柏原町では、JR福知山線柏原駅から徒歩圏内、柏原中心地一帯で「丹波かいばら雛めぐり」を毎年開催しています。丹波市柏原町といえば、織田信長の弟・信包が慶長3年 (1598年)に初代柏原藩主を務めたという、織田家ゆかりのまち。今もその街並みには織田家の家紋や、書院造りの藩邸をはじめ当時を思わせる城下町の風情が残っています。ぶらりと散歩するだけでも歴史の香りを感じる柏原の町に、3月は雛人形の華やかさがプラスされ、うららかな城下町を感じることができます。

 

 

「丹波かいばら雛めぐり」は2017年、「女性が中心になるイベント開催を」と自治会から地域の女性に呼びかけて始まり、以降毎年楽しみにされている恒例の春の行事です。

今年は、大正ロマンの風情が残る「かいばら一番館」、女学校をリノベーションした「たんば黎明館」、駅前近くのコミュニティスペース「旧木輪」などを中心に13か所で雛人形が飾られます。展示内容は、大正時代に作られた「御殿雛」から昭和、平成の雛人形まで様々。貰い受けた七段飾り17組に加え、期間のみ展示用に借りているものも15組。歴史を感じる由緒あるものから、家族の思い出の品として大切にされてきたものなど、人形一つ一つに物語があります。様々なひな人形を並べ見て、時代の変遷を感じたり、関東雛、京雛、田舎雛などの地域性の違いを見分けるのも心惹かれる時間です。かいばら雛めぐりで展示されるものの多くは近くで作られた雛人形ですが、一組だけ関東雛もあるとのこと。かんざしに青や白の色が含まれているのが関東雛の特徴ということなので、お立ち寄りの際はぜひ探してみてください。

 

 

会場には段雛や市松人形の他、地域の女性が手作りをしたつるし雛も飾られます。小さいお人形やお飾りを紐で繋いだつるし雛は、雛人形と一緒に飾ることでより豪華な雰囲気に、ひな祭りのお祝い感を引き立てます。毎年テーマを決めてつるし雛を作られるということですが、今年は干支の卯がひな祭りの雰囲気ともマッチするので、卯のつるし飾りが多く見られることになりそうです。またウサギは飛び跳ねる動物ですので、「飛躍」という言葉をテーマに、想いと願いを込めて作られています。

 

 

また、会場近くは商店街なので、店先のショーウィンドウにも同時期に雛人形や丹波市に伝わる伝統的な人形・稲畑人形を飾られるところもあります。いたるところに可愛らしいお人形やお飾りが見られるので、あちらこちらに目移りしてしまいそう。近隣に飲食店やカフェもあるので、一日ゆったり過ごすのにもぴったりです。

 

 

春の陽気に誘われて、単線電車とまち歩きの一日。まちの雰囲気ごとひな祭りを楽しむ、少し大人な雛めぐりをお楽しみください。

 

丹波かいばら雛めぐり

開催期間   2023年3月 18日(土) ~ 4月2日(日)

時間   10:00 ~ 16:00

会 場  兵庫県丹波市柏原町柏原の町なか 13か所 MAP参照

最寄り駅 JR福知山線 柏原駅 下車すぐ

主 催  丹波かいばら雛めぐり実行委員会

問合せ  0795-73-0198  ( 柏原自治会館内 )

Facebook https://www.facebook.com/tamba.kaibara.hinamegury/

 

会場MAPとチラシ

 

私がレポート

稿
チカコ
女性
40代
関西某所で生まれ育ち、ひょんなことから数年前に丹波に移り住むことに。ライターとしてインタビュー記事や、丹波のランチレポ、ニューオープン情報などを書き綴る仕事をしつつ、夜な夜なしっぽりカウンター飲みを楽しむアラフォー女子です。
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